「私のせいで、おばあちゃんが亡くなってしまった——。」
私が薬剤師を志したのは、糖尿病を患っていた祖母を少しでも楽にしたいという思いからでした。しかし、薬剤師になりたての1年目、私は進路に迷い、就職もせずに日々を過ごしていました。

そんなある日、祖母が「胸が痛い」と訴え始めました。コロナ禍で病院に行くこともできず、頼れる医療従事者もいない自宅。そばにいたのは、国家試験で学んだ知識だけを持つ私だけでした。
「明日、病院へ連れて行こう。」
そう決意した矢先、明け方、祖母は静かに息を引き取っていました。

自分の無力さを責め続けた日々。しかし今では、この経験こそが私を在宅医療へと導く、大切な祖母からの贈り物だったと感じています。
本当に困っている人は、時に助けを求めることすらできない。だからこそ、私は自ら歩み寄り、患者様が「ご自宅で安心して、自分らしく過ごせる」よう、日々心を届けていきます。

まんまる薬局OMF光が丘 小日向優哉